「INFRASTRUCTURE of CHANGE」をビジョンに掲げ、通信をはじめとするインフラ事業で世の中を大きく進化させるソニーネットワークコミュニケーションズ。ソニーグループの一事業会社として新規事業の創出などインキュベーション領域に積極的に投資し、ベンチャースピリットとスピード感を持った活動を推進しています。Web3時代に向かう情報通信産業の大きな変化のなか、ソニーネットワークコミュニケーションズのミッションや強みはどこにあるのか。そして、この会社の社風や求める人物像とはどのようなものなのか。「NURO 光」の生みの親でもある、渡辺社長に想いを伺いました。
Web3時代に向けて
先陣を切り、
通信会社としての
新たな役割を果たしていく
渡辺社長は2011年にソニーネットワークコミュニケーションズの前身であるソネットエンタテインメントに入社され、「NURO 光」を立ち上げられたそうですね。
「NURO 光」は当時、私が会社に提案した事業プランのうちの1つです。当時はまさにインターネットが隆盛しはじめた時期で、急速に回線へのトラフィック数が増えました。これからの時代はかつての鉄道や高速道路に変わり、通信インフラが国力を決めることになるはずだ、だからこそ高速大容量通信が可能な「ネットワーク回線」が重要であると考えました。
そこでまずは自分たちが圧倒的な高速大容量のネットワーク回線サービスを提供することで、日本全体の通信インフラのレベルを引き上げたい。そのような思いで「NURO 光」を立ち上げました。実はこのころ、すでに現在に繋がるモバイル事業もスタートさせていたのです。
その後インターネットや通信の進歩・発展はすさまじいものがありました。現在はWeb2から3への移行期にあり、かつて私がやったような10年後、20年後を見据えた新たな挑戦を始める時期が到来しています。Web3での話では、NFTがキーワードとしてよく出てきますが、もう1つ大きな変化として、映像やビジュアル表現が、2Dから3Dへ切り替わることも大きなテーマです。3Dビジュアルが主流、前提になることで通信が果たすべき役割はこれからさらに大きく変わっていくでしょう。
Web3が主流になった世界では、速度や容量といった通信スペックは当然のこと、それ以外の仕組みも重要になってきます。3D映像をいかに快適に表示するかといった技術的な部分にも通信会社が入っていかざるを得なくなるでしょう。このようなゲームのルールの変化に、我々はどう対応していくのか。それには、ただ追従するだけでなく、いかに先行するかの勝負だと思っています。

Web3でネットの世界が現在のクラウドを中心とした中央集権型から分散型になっていくと、多様なコンテンツやデバイスを持つソニーグループと通信ネットワークをベースとした事業開発に強みを持つソニーネットワークコミュニケーションズの存在意義もますます高まるのではないでしょうか?
そうですね。Web3の世界ではエッジ側の価値が高まり、巨大プラットフォーマーのような中央集権的なものが機能しにくくなるでしょう。そこではエッジデバイス同士をどうつないでいくか、といった技術がますます重要になってきます。
ソニーグループではカメラやセンサー、モニター、オーディオデバイスといったインプット・アウトプットに関わるデバイスを製造していますが、当社はそれらを通信とつなげる仕組みを構築することで大きな強みを発揮します。さらにグループ内でゲーム、音楽、映画など多彩なエンタテインメントコンテンツもあります。そのような資源をフル活用できるソニーネットワークコミュニケーションズが果たすべき役割は、今後ますます大きくなるでしょう。


最先端を走っている人たちに必要なインフラを提供するため、スピード感を持った変化を
ソニーネットワークコミュニケーションズのビジョン「INFRASTRUCTURE of CHANGE」に込めた思いを教えてください。
私は社会の変化は個人や1つの会社ではなく、多様な人や組織、みんなで起こすものだと考えています。ビジョンには、そうした変化を支える「インフラ」を提供する会社でありたいとの思いを込めています。
またインフラは時代に合わせて変えていく必要があります。とりわけ我々の使命は、他のどこよりも早くインフラを時代の先に推し進めること。最先端を走っている人たちに必要なインフラを提供するために、我々もスピード感を持って変化していかなくてはなりません。だからこそ当社はいつまでも新しい考えを積極的に取り入れ、チャレンジングな組織であるべきだと考えていますね。
今後の事業の展望や、渡辺社長およびソニーネットワークコミュニケーションズが目指す、組織や会社のあり方について教えてください。
現在、「NURO 光」は大手固定通信キャリアのなかではサービス提供エリアの拡大を進めている稀有な存在です。今のペースでより多くのお客様にNUROをご利用頂ければ、5年後、10年後には日本の通信会社のなかでさらに大きな存在感を持つ会社になっているでしょう。それに応じてチャレンジできるフィールドはどんどん広がっていくはずです。
特に、Web3に関わる部分や、3D化に関わる部分には注力していきます。ただ、我々はインキュベーターなので、事業ドメインは問いません。現在もヘルスケア事業やスポーツ関連の事業を手がけていますが、新規事業は通信とはまったく関係ないものでも構わないと考えています。
当社は、手を挙げた人が自由にプロジェクトを立ち上げ、進めていける会社です。ですから、むしろ私が想像もしていなかったような事業を立ち上げてくれる方に入ってきてほしいのです。どんどん手を挙げて、この会社と社会をおもしろくしていただきたいですね。
私は基本的に、社員が「やりたい」と言ったことに対しては、賛成できなくても「やっていいよ」と答えることにしています。社員が「やりたい」といったアイデアで、過去の経験などから鑑みて「必ずしもうまくいくとは限らない」と思うことは多々あります。でも、逆にいえば「私が賛成できない」と思うからこそ、そのアイデアはやる価値があるのです。最初から私が「これは絶対うまくいく」と思うものだけやっていては、新しい価値、多様な価値など生み出すことはできません。そんなことをしていては、どこにでもある平凡な会社になってしまいますから。

「世の中を変えたい」という熱い気持ちを持った人に来てほしい
ソニーネットワークコミュニケーションズは、働く人にとってどのような会社だと思いますか?
NUROをベースとした、通信インフラ業の安定した基盤のうえで、ベンチャー企業のようにスピーディーに新しいことに挑戦できる。そんな二面性をもっているところが、この会社の最大の魅力だと思います。通信インフラ業界は本来、安定していて強固であることが一番重要で、軽々しく冒険などできません。でも当社は徹底的に攻めの姿勢で事業を進めています。
それができるのは、ソニーグループの一員であるということも大きいでしょう。当社ではソニーグループが持つ多様な技術やアセットと連携しながら新しい挑戦をすることができます。ソニーグループには、可能性を秘めていながら、活用されていない技術がまだまだたくさんありますが、そのような技術を新しい発想でサービスに、ビジネスに、していくことも我々の重要なミッションです。
最後に、こちらの記事を読んでいる方に向けて、渡辺社長からメッセージをお願いします。
なんといっても今の世の中を変えたいと思っている人に来てほしいですね。世の中そのものでなくても、「今、提供されているサービスのユーザー体験を変えたい」ということでも構いません。どんなレベルであっても、現状肯定ではなく、少しでも変化を求める。そんな人に、ぜひ当社に来ていただきたいと思っています。「現状を変えたい」という強い気持ちさえあれば、そのために必要なスキルや技術は後からいくらでも身につけられます。それをバックアップするリソースや体制は、ソニーネットワークコミュニケーションズにはたくさんあります。
もう1つ、あえて誤解を恐れずにいうと「素直に人の言うことを聞きすぎない人」に来てほしいと思っています。これまでの時代は、上から言われたことをその通りにこなすことが重要でした。でも個と個がつながる、これからの時代、サービスをつくるうえでは、「まわりからどう思われようと、私はこれがやりたい」という情熱をもった、尖った人のほうが適しています。そんな、これまでの常識にこだわらず、これからの時代の常識を生み出せる人に来てほしいですね。

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